「お嬢さんを俺にください!」


「レーニャ、お茶ありがと
ケーキ、一緒に食べねーの?」



一緒に食べれるわけない



「レーニャ…ちょっとレーニャ…
なに?どーしたんだよ」



駅までの道

ユーヤがついて来た



「門限あったの忘れてた」



「駅まで送るよ」



「いいよ
この前もひとりで帰れたし…」



「今日は帰れるかわかんねーじゃん」



「帰れるよ!」



「門限間に合うの?」



「わかんない!」



自分の気持ちもわからない

なんでこんなモヤモヤしてるんだろう


別にユーヤがファンとどーなったって
私には関係ないのに


なんで応援できないんだろう



「レーニャ、走ろ!」



「え?」



ユーヤが私の手を掴んで走り出した



「門限、間に合わなかったら大変じゃん」



「ちょ…ユーヤ!…ユーヤ!
待って…待ってよ…」



ユーヤの速さに
必死に足が動いた


速すぎて飛んでるみたい



「フ…ハハハハ…」



「ユーヤ、笑ってる?」



「笑ってねーよ…ハハ…」



「笑ってる!」



期待も準備も何もしてなかった手が
ユーヤの手に驚いてる



強く握られてるのに
嫌じゃなくて

優しくて
ずっと掴んでてほしくて



「レーニャ、遅せーよ!速く!」



「もぉ…ユーヤ…ハハハ…」



門限なんて関係ない



急がなくていいから
ずっと繋いでてよユーヤ



笑っててよユーヤ



このままどこかに
連れて行ってほしい