「お嬢さんを俺にください!」


ひとりで駅に向かった



表情は見えなかったけど
ユーヤの声は優しかった

私の好きな声



でも…



もぉあんなことしないから…



それは
もぉ来るなっていう意味だった?


それとも
私はそういう対象じゃないって意味だった?



優しかったのに
虚しくなった



薄暗かった空は
もぉ暗くなってて

夜風で桜の花弁が雪みたいに降ってきた



あの日みたいに寒くないのに
あの日よりも心が冷たくなった



ユーヤの匂いが鼻に残る

ユーヤの声がまた聴きたい



振り返ったけど
ユーヤはいなかった