「そんなのある訳ないじゃん!だってあの荻原先輩だよ?裏なんて…」
「琴音は男見る目無いもんねぇー?」
咲が私の鼻を人差し指でぐりぐりと押してきた。
「ちょっ、鼻低くなる!」

咲が大きな声で笑う。
そんな咲を前にして、私もつられて笑ってしまった。
咲といるとこんなにも時間が経つのが早い。
私は良い友達を持ったもんだ、と頭の中で頷いた。