話の途中でライラ様が体を震わせてしまった時には、マリエル様が大丈夫だとなだめるようにしっかりとその手を握る。
仕事の顔をしている時のマリエル様は本当に頼もしいお方だ。
そして一通りの話を終えたふたりは、メイドのアニーも伴って3人の男を拘留している地下牢へと向かった。
ライラ様は牢屋に入るほくろの男の顔を確認すると小さくため息をついた。
「セバスチャン、あなたには失望したわ。わたくしのことをさんざんストーキングした挙句にかどわかそうとしただなんて、あなた変態ね」
その冷たい声と表情は先ほどまでの可愛らしい雰囲気とは一変して妙に大人びている。
ライラ様によれば、このセバスチャンという男は我々の予想通り彼女の祖父であるエドモンド・グラーツィ卿の手下のようだ。
父親と祖父の言動に不審感を募らせていたライラ様は、わざと幼く世間知らずな振る舞いを見せていたのだという。
「わたくし、本当は天然ではございません」
そう言って胸を張る可愛らしい姿はどう見ても天然そのものだったが、あえてツッコまないことにした。
だからこのセバスチャンという男もライラ様のことを舐めきっていたのだ。多少自分の姿が彼女の視界に入ったからといって、祖父の命令で監視しているということになど気づくはずがないだろうと油断していたのだろう。
「ライラ様! 私は変態などではございません! 今回のことはあなた様のことを思って……」
「そう。わたくしのためを思って誘拐事件を起こそうとしたのね? 誰の指示で?」
「……」
誘拐未遂をまんまと認めてしまったセバスチャンだが、さすがにこの誘導には引っかからずに口をつぐんだ。
仕事の顔をしている時のマリエル様は本当に頼もしいお方だ。
そして一通りの話を終えたふたりは、メイドのアニーも伴って3人の男を拘留している地下牢へと向かった。
ライラ様は牢屋に入るほくろの男の顔を確認すると小さくため息をついた。
「セバスチャン、あなたには失望したわ。わたくしのことをさんざんストーキングした挙句にかどわかそうとしただなんて、あなた変態ね」
その冷たい声と表情は先ほどまでの可愛らしい雰囲気とは一変して妙に大人びている。
ライラ様によれば、このセバスチャンという男は我々の予想通り彼女の祖父であるエドモンド・グラーツィ卿の手下のようだ。
父親と祖父の言動に不審感を募らせていたライラ様は、わざと幼く世間知らずな振る舞いを見せていたのだという。
「わたくし、本当は天然ではございません」
そう言って胸を張る可愛らしい姿はどう見ても天然そのものだったが、あえてツッコまないことにした。
だからこのセバスチャンという男もライラ様のことを舐めきっていたのだ。多少自分の姿が彼女の視界に入ったからといって、祖父の命令で監視しているということになど気づくはずがないだろうと油断していたのだろう。
「ライラ様! 私は変態などではございません! 今回のことはあなた様のことを思って……」
「そう。わたくしのためを思って誘拐事件を起こそうとしたのね? 誰の指示で?」
「……」
誘拐未遂をまんまと認めてしまったセバスチャンだが、さすがにこの誘導には引っかからずに口をつぐんだ。



