マリエル様を殺した犯人は、もしかしてわたくし!? と青ざめていると、後ろから「失礼します」という声が聞こえて、ひょいっと抱えられて立たされた。
見上げるとそこにいたのは、先ほどここの扉を開けてくれた栗毛の男性だった。
わたくしの予想が間違っていなければ、おそらくこの人がマリエル様のお手紙にたびたび登場する側近のカーク様のはずだ。
「マリエル様をベッドまでお運びするように。2人でいけるか? いや4人か」
隊員たちに指示を出したカーク様が、にこやかな顔をこちらに向ける。
「ライラ様、お怪我はございませんか」
「はい。マリエル様がしっかり守ってくださいましたので……あの、マリエル様は……?」
「大丈夫ですよ。これぐらいでどうこうなるお方ではございません。少々、驚いてしまわれただけです」
まあ!
驚きの余りバタっと倒れて失神する子ヤギがいると聞いたことがあるわ。
マリエル様にはそんな可愛らしい一面もおありなのね。素敵っ!
わたくしが感動しているうちに、隊員たちがマリエル様を「せーの!」という掛け声とともに持ち上げた。
その場に立ったままお見送りしていると、執務室を出た隊員たちの声が聞こえてきた。
「すげえなあ。隊長を押し倒すだなんて」
「さらに馬乗りになってビンタかましてたぞ。やるなあ!」
やだ、おてんばなことがバレてしまったわ!
隣に立つカーク様を見上げると、明らかに口元がニヨニヨしている。
わたくしは急に恥ずかしくなってしまい、両手で顔を覆ったのだった。
見上げるとそこにいたのは、先ほどここの扉を開けてくれた栗毛の男性だった。
わたくしの予想が間違っていなければ、おそらくこの人がマリエル様のお手紙にたびたび登場する側近のカーク様のはずだ。
「マリエル様をベッドまでお運びするように。2人でいけるか? いや4人か」
隊員たちに指示を出したカーク様が、にこやかな顔をこちらに向ける。
「ライラ様、お怪我はございませんか」
「はい。マリエル様がしっかり守ってくださいましたので……あの、マリエル様は……?」
「大丈夫ですよ。これぐらいでどうこうなるお方ではございません。少々、驚いてしまわれただけです」
まあ!
驚きの余りバタっと倒れて失神する子ヤギがいると聞いたことがあるわ。
マリエル様にはそんな可愛らしい一面もおありなのね。素敵っ!
わたくしが感動しているうちに、隊員たちがマリエル様を「せーの!」という掛け声とともに持ち上げた。
その場に立ったままお見送りしていると、執務室を出た隊員たちの声が聞こえてきた。
「すげえなあ。隊長を押し倒すだなんて」
「さらに馬乗りになってビンタかましてたぞ。やるなあ!」
やだ、おてんばなことがバレてしまったわ!
隣に立つカーク様を見上げると、明らかに口元がニヨニヨしている。
わたくしは急に恥ずかしくなってしまい、両手で顔を覆ったのだった。