「確かに私は注射器を持っています。だけど、それが証拠になるんですか?私がインスリンを患者さんに投与したって証拠はあるんですか?」
「……それだよ。君は今、自分で自分を犯人だと言った」
底意地の悪い笑みを桜士は浮かべる。心の中で目の前にいる彼女を見下し、嗤っているのだ。今まで潜入し、出会ってきた犯人の中でこれほど頭の悪い犯人に出会ったことがなかったからである。
「何故、患者に投与されたのがインスリンだと知っていたんだ?その情報は誰も知らないのに。知っているのは、警察のごく一部と彼らの遺体を解剖した監察医だけのはずなんだが……」
余裕を見せていた雪の顔が青ざめていく。桜士は淡々と話した。
「反動形成ーーー受け入れ難い感情や欲求から、本心とは反対に振る舞うこと。君はせん妄状態の患者にも親切にしていた。だけど、あれは全て嘘。君は本当は、殺したくて堪らなかったんじゃないか?」
「……ええ、そうですよ!!殺したかったわよ!!あんなボケ老人や病人のせいで、私の人生はめちゃくちゃにされたんだから!!」
「……それだよ。君は今、自分で自分を犯人だと言った」
底意地の悪い笑みを桜士は浮かべる。心の中で目の前にいる彼女を見下し、嗤っているのだ。今まで潜入し、出会ってきた犯人の中でこれほど頭の悪い犯人に出会ったことがなかったからである。
「何故、患者に投与されたのがインスリンだと知っていたんだ?その情報は誰も知らないのに。知っているのは、警察のごく一部と彼らの遺体を解剖した監察医だけのはずなんだが……」
余裕を見せていた雪の顔が青ざめていく。桜士は淡々と話した。
「反動形成ーーー受け入れ難い感情や欲求から、本心とは反対に振る舞うこと。君はせん妄状態の患者にも親切にしていた。だけど、あれは全て嘘。君は本当は、殺したくて堪らなかったんじゃないか?」
「……ええ、そうですよ!!殺したかったわよ!!あんなボケ老人や病人のせいで、私の人生はめちゃくちゃにされたんだから!!」

