ご飯を食べ終えたあともなぜか照れてしまい、夕凪くんのほうを向けず、つけられていたテレビを見る。フリをしている。
すると、プツッとテレビが切れた。
「…?」
「なち、ここ。おいで」
いつの間にか彼はソファに移動していて、ポンポンと広げた脚の間を叩く。
吸い寄せられるように夕凪くんの股の間に座るが、あまりの距離の近さに心臓がうるさすぎて。
隣に座る位置を移動しようすれば、「こら、逃げんな」と引き戻されてしまった。
「誕生日、祝ってくれんだろ?」
コクコク頷くと私の体は向かい合わせに抱っこされ、彼の腕にぎゅっと抱きしめられる。
(うわぁ……心臓持たないよ〜……)
「なちの心臓、バクバクしてる」
「夕凪くんは……?」
自分の心臓の音で、夕凪くんの音があまりわからない。
「俺も……フッ、これじゃどっちの音だかわかんねぇな」
「っ、」
この気持ちを言葉にするなら、一体なんだろう。
すごく幸せで、胸がキュッとなって、緊張してるのに安心もする。
全てひっくるめて、愛おしい、という言葉ならピッタリ当てはまるだろうか……