「今日も朝からずっとなちにドキドキしてるし、それバレないように必死にカッコつけてたし。心配しなくたって俺も一緒だから」


「……っ、」


「いいんだよめんどくさくて。それになちのそのめんどくさいって、俺にとっては可愛いでしかないしな」


顔がどんどん熱くなってほてっていく。
何度夕凪くんは私を好きにさせるのだろう。


「つーか、絶対俺のほうが重症なんだけど……」


溜息をつきながら頭を抱える夕凪くんを見つめていると、チラッと私のほうを向いた。


彼の耳が赤くなっている。まるで自分の写し鏡のように夕凪くんの顔も少しほてっている気がする。


「……飯、食うか」


「はい……」


小さく返事をして、二人で床に並んで座る。


テーブルの奥のテレビの音を聞きながら、お互いに味見という名の間接キスをした。────