「わりぃ……さっきの可愛すぎて限界だった」
と、息の上がる私を見下ろしながら言う夕凪くんの顔が真っ赤になっていく。
(この人、なに!?)
可愛すぎてるのはどう見たって夕凪くんのほう。
すると、ガチャっと玄関の鍵が開き、一華さん達が「ただいま〜」と買い物から帰ってくる。
私たちにと買ってきてくれたピザとポテトを食べながら、付き合ったことを報告すると、二人ともすごく喜んで祝ってくれた。
北風先生はケーキ買ってこよう、となぜかケーキを買いに行こうとするので、それを夕凪くんが止めたりして。
笑顔にさせてくれる人達に囲まれると、すごく心地が良くて。
今日はそのまま泊まっていきなさいと言ってくれたので、お母さんに連絡してお言葉に甘えることにした。
その夜。
恐怖を思い出すかもしれない私のそばに、眠りにつくまでずっと……夕凪くんはぎゅっと手を握ってくれていた。──