「おはよ、なち」


「おはよ〜…」


クラスで真っ先に私に声をかけ頭を撫でてくれるのは、中学から一緒の優しすぎる友達。
雛形(ひながた)まつりちゃん。


「今日はいつもより遅いけど寝坊した?珍しいじゃん」


「それが信じられない出来事が、おきてね……」


「信じられない出来事?なになに?……はっ!ま、まさかなち、電車の彼と何か進展が!?」


「うっ、ん。突然話しかけられて……それで、その……休み時間に、また話してもいい…?」


もうすぐ朝礼が始まるので、私は時間のある休み時間に聞いてもらいたいと思った。


まだ全然気持ちが落ち着いていない。
まだ夢か現実か、ふわふわしている信じられない話を……。


「りょーかい!」


そう大きな声で返事をくれるまつりちゃんは姉御肌で、私の前に彗星の如く現れた女神である。


綺麗でスタイルが良く、独特の個性を持っている。私服はなんでも上手に着こなすおしゃれさん。