コポポポポ……とグラスにジュースが注がれている。
氷の音がもうすぐ夏休みも終わりだと知らせているみたいだ。
先ほど会って挨拶を済ませた北風先生は、眠くなってしまった赤ちゃんを寝かせるため別室に向かう。
赤ちゃんは全てが小さくて、間近で見たのは初めてで。
抱っこしてみるか聞かれたけど、触ったら壊れてしまいそうだったので遠慮した。でも、すごい可愛かった……。
リビングで待っていると、一華さんはキッチンからジュースの入った二つのグラスを持ってきてくれる。
「はい、どうぞ」
「あ……ありがとうございます」
「なんだかお祝いするどころじゃなくなって、ごめんね?おまけに迷惑までかけちゃって」
「と、とんでもないですっ」
「気になるよね、さっきの」
私は「はい」と、頷いた。
……気になる。夕凪くんのことも、本当にひとりにしてよかったのだろうかと。