特別な誕生日も終わり、怒涛の試験週間も無事に終了。そして気づけば夏休みに入り、季節は秋のほうに向かっている。


夏休み中は休みだからといって休んでばかりいられず。
課題は好きな科目から終わらせていくほうだけど、残った科目が全部嫌なものばかりになるのを避けるため、徐々に満遍なく終わらせた。


外に出たい時は図書館で勉強したり、気分転換に本を読んだりして。


いつもと大して変わらない日常の風景が、不思議と子どもの頃とは違うように感じたのはきっと……手を差し伸べてくれる、優しい人たちに出会ったから。


まつりちゃん。一華さん。雫さんやMagic Colorfulのスタッフさん。家庭教師の宮下さん。


──そして、夕凪くん。


そんな日々を過ごしながら、お盆が過ぎて落ち着いた今日。
一華さんが北風先生と赤ちゃんと住んでいるお宅へと出かけていた。


事の発端は、誕生日に夕凪くんに言われた通り、夜に一華さんからおめでとうと連絡が入った時のこと。