「わぁ……か、可愛いっ」
箱の中に入っていたのは、おしゃれで可愛いコスメセット。
金箔をあしらったケースにエンジェルや小動物が載っている、外国風のコスメだ。
まつりちゃんのセンスの良さが、選んでくれたプレゼントに滲み出ている。
私は改めて感謝を伝えた。
「これ全部なちに似合うと思ったやつだからさ、帰りにちょっとだけメイクしてみない?」
「か、帰りに……?」
そう聞くと、なぜかまつりちゃんは私の耳に近づき──コッソリと耳打ちをした。
「なちが夕凪仁と会えるように約束をかましました」
「えっ!」
驚いて、思わず普段にはない大きな声が出てしまう。
あれから夕凪くんとはメッセージのやり取りを少ししただけで、全然会えていなかった。
「できる限りのサプラ〜イズ!……なちは自分の誕生日言ってないと思ったけど、案の定言ってなかったね?」
もう、仕方ないなーっ、と言いたげなまつりちゃん。眉は少し下がっている。