それから数週間後の6月24日。──


学生服は夏用に変わったが、まだ梅雨の時期。今日も雨が降っていて、少し肌寒いくらいだ。
そんな日に私はまた一つ歳を重ねて17歳になった。


「なちっ、ハピバーー!」


「ありがと〜……っ」


自分がいる教室。周りの景色は特にいつもと変わらない。ただ今日の私の昼休みはすごく贅沢だ。


まつりちゃんから誕生日を祝ってもらった上に、綺麗に梱包されたプレゼントまでもらってしまったのだから。


「ほんとなち、よくありがとうって言うようになったね」


「え…?」


「ううん。てか本当はさ、今年こそ盛大な誕生日パーティーをサプライズでやりたかったんだよ……けど、もうすぐ期末試験だから自粛したの。驚かせてなちの記憶ぶっ飛ばしちゃったら大変だし」


フフッと笑顔になる。そんなことまで考えてくれたことがまた嬉しくて、幸せな気持ちになる。


そして「中身開けてみて」と、まつりちゃんに促されるまま、私はプレゼントを開封した。