それからは、一華さんへのプレゼントが見つかりそうな良さげなお店を探して見て回る。
その間に夕凪くんが、一華さんと夕凪くんの担任の先生は結婚していて、既に赤ちゃんも生まれていることを私に教えてくれた。
夕凪くんは高校2年生にして、叔父ということになる。
自分がひとりっ子だからというのもあって、更に彼のことがキラキラして見えてしまう。
しかし今日は一華さんの息抜きのために買い物に来ていて、夕凪くんは荷物持ちとして駆り出されたのだと聞いた瞬間、結局私は二人の邪魔をしてしまったのだと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
(今日貰った幸せの分、どうにかしてでも返していこう……)
そんなことを考えながら歩いていた途中。
「あ……」
「どした?」
視線の先に見えたのは、日の丸書店だった。さすがに字が大きいのですぐにわかる。