私たちの笑顔

イルカショーが終わり、会場を後にした。


和明が珍しく歩くのが遅い。


今…いつもと逆で私が引っ張っている形になっている。


どうしたんだろう?

まだイルカ見たいのかな?


「由美…俺行きたいとこあるんだけど…」


和明が恥ずかしそうに立ち止まって言った。


「どこ?」

「か…観覧車」


指を指しながら和明が言った。

指が指した先には観覧車。


その観覧車がある遊園地は、水族館に近くて、水族館と同じ会社が運営している。


まだ…なんとなくだけど…抜け道覚えてるな…


誰も来ないような細い道を通って、遊園地へ向かった。