「こんばんは。」
いきなり俺達の座るテーブル横から
声がかかる。

顔をあげると

   ······沙·······良··っ······


沙良の口角は、上がっているが
目元は、引きつっていた。

驚きで心臓がドキドキと
音をたてている。

「知り合いの方ですか?」
と、言う絵美ちゃん。

曖昧に返事をしている間に
沙良達?あっ、茉優さんと凛さんだ。
三人が俺達のテーブルを
通り過ぎる

俺は、慌てて
 沙良の後を追おうと立ち上がると
「えっ、高木さん?」
と、言う彼女に
「ごめん。」と、伝え 外に出て
「待って。」
と、言う俺に
「邪魔してごめんなさいね。
   あなたは、ゆっくりして。」
と、俺を見ずに言う沙良に
どうして良いかわからず
立ち止まっていると

沙良達は、
 次に行くお店を決め歩き始めた。

「 サラ···· 」と、声をかけるが····


三人は、俺が見えて居ないように
歩き出した。

俺は、更に追って行こうとしたが
急に腕に取られて
「高木さんのお知り合いですか?
きれいな方々ですね。」
と、北山さん。

俺は、北山さんの腕を離しながら
沙良達を見ると
茉優さんが俺達を睨みつけていたが
そのまま歩き始めた。

俺はその後、食事をする気には
ならずに
「北山さんは、ゆっくり食べてから
 帰って。支払いは済ませておくから。」
と、伝えると
「えっ。
せっかく一緒に食べていたのですから
お話も まだしたいし。」
と、ニコニコしながら言う北山さん。

いつもは、可愛いと思うのに
心 ここにあらずの俺は、
「いや、悪いけど。失礼するよ。」
と、言って
レストランに戻り
支払いをしてからレストランを出た。

北山さんが、何か言っていたが
俺は、早く帰らないと行けないと思い
タクシーに乗り込んだ。