早都の立ち会い出産にて
升麻 ( しょうま )が
生まれた。

私達は、いつまでも升麻を
抱きしめて泣いた。

終いには先生から
注意されて引き離されたが。

母体にもかなり疲れがあったのか
私が次に目を冷ましたのは
翌日の夕方で
早都は、かなり心配したようだ。

起きない、起きないと
泣いて叫び
鎮静剤を射たれたらしい。

高木と大山の両親も
そんなに焦る
早都に手を焼いて大変だったと。

早都の中では
沙良は全てで
沙良のいない世界は
ありえない物となっていた。

沙良は、升麻を育てながら
デザインをしたり
仕事には関わっていった。


「パパっ。ママ、またここにいるよ。」
と、言う升麻。
「クスッ。ほんとだね。」
と、言いながら
早都の手には大きなブランケットが
握られていた。
ブランケットに沙良を包み
「升麻。お出で。」
と、息子を呼び
ブランケットの中に入れる
「おかえり。
早都。升麻。
あったか〜い。」
と、言う沙良に
「風邪ひくから
ブランケットちゃんと着て。」
と、言う早都に
沙良は、何も答えない。

早都にも、ちゃんとわかっている
沙良は、早都が
自分に何をしてくれるのか
それが、沙良には
凄く気持ちよくて温かい。

たかが、ブランケット一枚だが
二人には何よりも
変えれない。

沙良は、第二子 女の子
瑛宇 ( よう )を、出産した。

前回みたいに
目が中々覚めない事は、
なかったが
前回のトラウマで
早都は沙良から片時も
離れずに
周りから呆れられるほど。