茉優は、結城課長に頭を下げて
受付に戻って行った。

「高木、行くぞ。
お前のデザインを待っている
沢山のクライアントの仕事が
あるだろう。」
「·····はいっ。」
と、涙を手で払い除けながら
答えて課長の後を追う。

エレベーターを待つ間に
「良く頑張ったな。」
と、頭を撫でてくれた結城課長

泣きたくない
仕事もあるから
必死で我慢してるのに
この人は·····と。
「少し休憩をやる。」
と、言いながら
エレベーターに乗り込んだ。


その後、二人は警備の人達に
外に出されたらしい。
茉優が報告してくれた。

かなり二人に怒っていた
茉優なのに
「結城課長、やるね。」
と、喜んでくれていた。

私は、落ち着いてから
職場に戻り
染谷課長にお詫びをすると
「結城課長が
いつまで、帰らないんだ。
って、心配して下りて行った。」
と、笑いながら話してくれた。

後日きちんとしたら、
二人には、報告する。

その日は、茉優が連絡したみたいで
凛が心配して大雅さんと
時任先生も交えて五人で
食事をすることに。

結城課長からも誘って頂いたが
丁重にお断りをした。

友人の話をしたから
わかってくれている。

染谷係長も
「なんかあったら
俺じゃなくてもいいから
うちの奴に相談したら良い。」
と 言ってくれた。

本当に優しい人ばかりだ。

染谷係長の奥様は、
わが社の受付嬢で
綺麗な方で有名な方だが
そんな事鼻にもかけない
さっぱりした方で
男女ともに人気のある人だった。

そんな奥様を落とした係長は、
回りの男性からかなり睨まれた。

今でも伝説となっている。
そんな係長に 
「ありがとうございます。
また、ご連絡します。」
と、言って待ち合わせ場所に
向かった。