🐓37

ボーミグラネトM国




次の朝

「おはよーリア」
人懐こいのはフローレンスのいい所
10歳くらいの年の差はあんまし気に
しない、なんせ80、90ともタメグチ
で過ごして来たのだ。

今はリアに婚姻を諦めて貰いたい
17の娘つまり私が国母になれる
ワケない。
花嫁修業なんて論外
だけどリアと呼んでも怒らない
ケーキも冷え冷え??、
それに私を見る目は優しさに溢れ
ていて・・
広い部屋も贅沢

ダメダメ私には、何より大切な
子爵家がある、シッカリしないと

実はハリーさんに事の次第をきいた。彼は私に厳し過ぎた、なぜ
ただの花嫁修業の私にアレコレうるさいのか疑問だった、仕事中なら仕方が無いが休憩中も手厳しい‼️

そして驚愕の事実を知った。

私フローレンスはリアの嫁候補の
1人だったノダ!

( ꒪⌓︎꒪)・・聞いて無いヨ





「どうでしたハリー
フローレンスとリアの様子は?」


「あ、はい」
ハリーを待ち切れず朝イチでアイラは自室に呼び出した。

お后付きのメイドは50歳位の超
ベテラン
厳しい目付きはアイラ以上

「はい、大変仲睦ましく
微笑ましくございます。」


王妃アイラは赤い唇をギュッと噛み
「まだ婚姻前です。
何かあれば困ります。
良く目を光らせておきなさい。」

とキツい口調で命令した。
アイラの心配はグレース王女と
見合いをさせる前に
フローレンスの懐妊は困る


子爵家はソコを狙っているかも
しれないという事を心配しているのだろう。


「勿論でございます。
それはお任せください。」

ハリーがそう言うとアイラはホッ
とした様子で息を吐く。

昼はミシェルが付き添うし
リアとフローレンスが2人に
なる事は無い、夜は警備が目を
光らせているしお互いの部屋には
行き来出来ない。


「あーあと360日か!」
フローレンスはカレンダーをめくり
花嫁修業の最終日を数えながら考える。

「始まったばかりだし
長いな〜」

この期間を乗り切り花嫁修業が
終われば、ちゃんと断れる
今はまだ相手にされないのだろう
兄様の手前恥を欠かす訳には
いかない。


コンコン
「フローレンスおはようございます。」
スッカリ身支度を終えたフローレンスを見てミシェルはホッとする。

「ちゃんと起きましたね
カール様からご心配の連絡が
ありましたよ!」


「え?仕事の時はちゃんと
起きてますって。」
この宮殿に入ってからミシェルさんの口調は丁寧になった気がする🤔

「では、今日から殿下に
お仕えする訳です、言葉使い
仕草お気をつけあそばせ!」

1週間は慣れる為の勉強だった。
その期間をクリア

「リ」

「ん?リとは?」

「了解しましたの短縮で・・エヘヘ」
バツ悪そうにフローレンスは誤魔化し笑い

「ま、まあ、私には構いません!
行きましょう。」

厳しい顔をしたミシェルはクスクス
ついガマン出来なくなり
顔をほころばせる。


本来ならミシェルは清掃部の
主任としてふんぞり返って
楽チーンな椅子に座ってアレコレ
指示をしていれば良かったのだ

好き好んでリアに頼まれたとはいえ
こんな苦労を引き受けるなんて
本当に・・・・・ご苦労な事だ
それもこれも

フローレンスの人柄のせいだ
と苦笑い。

あの日フローレンスに会わなければ
良かったのか悪かったのか!



ミシェルがドアに重々しく取り付け
られたオートロックの暗証番号を
押す

ドアが開くとシ━━━━ン
リアの部屋は眠っていた。


「良いですか、お部屋の片付け
を致します。
殿下は7時半におきられま・・あ」


「おはよう、フローレンス
あ、ついでにミシェル、オハヨ」

「ついで?・・
殿下、おはようございます。
え、あ!早」

何時もの凛々しい姿ではなく
大きめの絹のパジャマにボサボサの
髪、

「あ」

リアはフローレンスを抱えてチュッ頬っぺにではなく唇に💋

ぶったまげたフローレンスは、ミシェルを見る。

ミシェルもリアの予想外の行動に
両方の手を口に当て唖然⊙ o⊙

「こ、コレは殿下のフローレンスへの特別な挨拶で、で・・す。
タブン」
とミシェルは頬を赤らめ何か
言いたそうなフローレンスを見て
答えた。

「あ、挨拶かー!」
フローレンスは
抱っこされたままリアを見る。

「殿下、なりませぬ!」
咄嗟に慌てふためいた声が響く
バタバタと焦りながらハリーが
入って来て暴走しょうとするリアを
止めた。


「ハリー邪魔するな!
やっとフローレンスを手に入れた
のだぞ」


ハリーはリアの顔に顔を近づけて
「カノジョは今は、あくまで
リア殿下付きの
メ、イ、ドとしてです。
王妃様に呉々も気を付けるように
とワ、タ、シ、が言われて
おります。
未だお二人共婚約前、前!なのですよ!」
とハリーはキツく言った。


( ー̀дー́ ) チッ💢
ハリーは硬いな!

王妃と言われては何の反論も出来ない、仕方なくフローレンスを
抱え下ろした。

「ミシェル、アナタも気をつけて
下さい、よからぬ噂は消しようが
ありませんので!」

「はい💦申し訳ありません。」
そう言われミシェルは王妃が反対
している事は挨拶の時に感じていたがハリーも王妃側なのだと理解した。
あのグレース王女との婚姻を
王室は望んでいるのだろう
ただ

リアの意志を尊重しないわけには行かず仕方なくミシェルの提案した
花嫁修業➕行儀見習い➕リア付きのメイドを受け入れたのだろう。


勿論、リアの遊びに飽きるのを待っ、村娘の物珍しさに興味津々な
だけだ!

ハリーは自分に言い聞かせた
ハリーもフローレンスとの結婚は
大反対!!

フローレンスに飽きた頃を見計らい見合いさせる運びなのだ!


「いいですか、殿下は雇い主で
貴方は雇われ側です
ソコはちゃんとケジメを付けて
頂かないと困ります。

勿論殿下と同じテーブルに付かれる事も今後一切無いように
この前は特別と御理解願います。」


なんか分かんないケド彼は
私がココにいる事は不満の様だ
まあフローレンスに取っては願ったり叶ったり
リアの優しさに絆されそうになりつつあった事も反省

ハリーは距離を保てと言う
「わ、分かりました以後気をつけます。」

フローレンスも納得して返事をした。

『アレ意外な返事』
ハリーは拍子抜けしながら
違和感を覚える。

「分かれば宜しいです。」
と言いつつ.。oO
まさか殿下の片想いか?
確かに群を抜いて可愛らしいが
いや、天下のリア殿下に想いを寄せ
られて嫌がる女がいるものか!

ハリーは頭をひねりながら
彼女は何を考えているか分から
無い、要注意人物だ、そう思い
部屋を出た。


ミシェルの指導の元フローレンスは
仕事を覚えて行った。


カールも心配で隠れて様子を見に来たりして早3ヶ月が過ぎていた。
ハリーが張り付いているので2人の仲は縮まらず・・・

リアは不満を抱えていた。
30過ぎの男、それなりの遊びも
したくなる年頃、そんな事情はまだ年若い男性経験ゼロのフローレンスには理解不能。


そんな時

グレース王女の25歳の誕生日に
ボーミグラネトM国にリアは
招待された。

「フローレンス君も来るか?」
ここぞとばかりにリアは熱心に
リア付きのメイドなのだから当たり前と思い誘ってみた

ボーミグラネト国の言葉は
実家のメリーの母国語だ
フローレンスには良く分かる小さい
頃からメリーには教えられた
本を読んでくれたり読み書きを
習った。


「うわぁー一度行ってみたかった
いけるの、嬉しい♡」
フローレンスは大喜び!

「ダメダメダーメ‼️」
突然ハリーが待ったをかけてきた!
久しぶりの旅行なのに・・
とフローレンスは少し不愉快な顔
をした。

( ー̀дー́ )チッ!
愛するフローレンスとの初旅行と
よからぬ事を企んだリアはハリー
にムカッ…


「ダメダメ、グレース王女に知れ
たらお見合いすら出来ません。

今度の王女の誕生日には
殿下は特別の御招待なのですぞ
私が同伴いたします。

目付け役として、よからぬ虫、チラ
がつかぬともかぎりません、
王妃様から呉々もと
頼まれております。」

と当てつけがましくフローレンスを
チラ見

リアはヤレヤレ╭
「俺を幾つと思っている」
「もう サンジュゥ」
小声でフローレンスが言うと


「そうそう三十・・は?チラ」
テヘッと笑うフローレンスを見て
リアは「まだ三十!」
と厳つい顔をして言った。


リアは

「フウ( -᷄ ω -᷅ )」
執務室にこもり溜息をつく


調べ物をするハリーに
「歳の差を感じるなぁ…」
と呟いたのが聞こえたようで

ハリーはパソコンの手を止めて


「そうですね、私もフローレンス
さんとは10歳は違いますね
殿下は13歳は離れてる事に
なりますね。」


「そ・・・うか!
そんな離れているのか?」
ハリーは力なく呟くリアに
『…エエ……⁉️ま、まさか今気付いたのか?』
とドン引き!


「差し出がましいのは承知で
言わせて貰います。
グレース王女の方が歳も近いですし、教養も躾も行き届いています
グレース王女と少し近づいて
みられましたら如何でしょう。
今度のお呼ばれは良い機会と思わ
れます。」


フローレンスがリアに放った一言が余程応えたのだろうか!
リアは机にうつ伏せになる。
「もう、サンジュウ・・か!」

フローレンスのつぶやきが耳に
残る。


ハリーは
忠誠込めて王家に尽くす
何としても眼鏡に叶った女性と
リアの婚姻をみとどけたい。
2人で執務室にいながら
全く別の女の事を考えていた。


目を奪われる程美しく
知性も理性も磨かれて
身のこなしも言葉使いも丁寧!

グレースを知ればリアの気持ちも
揺らぐはず‼️
ハリーはそう思っていた。