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その日の朝
「奥様、ミシェル様から
お電話でございます。」

ニコリともしないメイド長のナルシアがスカーレットの携帯を持ち
現れた。

「ミシェル?」
とうとう何か起きたのだと思った
公爵の妻たるもの取り乱しては
ならぬ!嫁に出る時に父王に
口酸っぱく言われた。
ナルシアに静かに頷くと携帯を
受け取る。

ナルシアに目配せをすると
彼女は頭を下げソソソと居なく
なった。

「はい、ミシェルどうしましたか?」

息を切ったようにミシェルは
話し出す。

「今日フローレンス様とロレンツオ殿下をリア殿下がお誘いされての
リア殿下の主催のお茶会で
ロレンツオ殿下とフローレンスが
御一緒される様でフローレンスがリア殿下のお探しのお方だとバレてしまいます。」

支離滅裂、ミシェルは珍しく
取り乱している
多分、誰にも話さずロレンツオ殿下とリア殿下、あとは何人かの
側近達の中の話で
外には漏れてなかったのだろう。


「・・・そう今日がX𝔻𝕒𝕪,なのね。」

「はいカール様もどうなるか!
これはロレンツオ殿下から
リア殿下への挑発にすぎません
ロレンツオ殿下は、フローレンスの事はご存知でありましたから
大喜びで参加の御様子です。

私がロレンツオ殿下にお知らせ
したのです。
その後リア殿下から同じような
文面で同じような依頼を受けました。リア殿下が先に依頼されたの
ならリア殿下にお知らせしたと
思います
私の軽はずみな行動で申し訳
ありません。」



「分かったわ私が匿います。
見合いが終わったらカールに
フローレンスとウチに来るように
伝えてちょうだい。
それに二人はどんな手を使っても
フローレンスを探し出していたはず遅かれ早かれこうなったのよ
ミシェルが気を病む事は無いワ
それより力を貸してちょうだい。」


「勿論です。」

話を聞いていたケニーはだいたい
の話の流れが分かった。
スカーレットは電話を切ると
厳しい顔をしてケニーに話た。

「2人が来てから
詳しく話をしましょう。
ルーシとウィリアム も呼びましょう、もうウィリアム家一族の
問題になってしまったのよ
一族で解決口を探さないと・・


どうにもならない時は
私の実家にロータスルートA国
国王オスカー兄に仲裁を頼むしかないわ」



「お義姉様・・有難う
ございます。
お義姉の兄様が後をおとりなの
でしょう。
ご迷惑と思いますけど
お力をかりなければ・・」


「そうね、でもね
フローレンスはそりゃもう
愛らしくてかわいらしいわよ
殿下二人を虜にするのは
仕方ないことよ💦
傲慢でも無く優しいし
思いやりもあるし・・
あの二人には珍しく新鮮だった
んじゃないかしら!」



「ロータス ルートA国の
オスカー エバンス様の手を
煩わせて申し訳ありません。」
ケニーは申し訳無さそうに頭を
さげた。

「何を言ってるの私達は
家族なのよ。」


「ありがとう
お義姉様」
ケニーも孫を守る決心をした
自分はもう充分に生きてきた
命を差し出しても惜しくない!

今まで注げたはずの愛情を
カールとフローレンスには
受け取ってもらいたい。





「ナニッ、本当か
そんな美人になっておったか」
ミガンダは声を弾ませた。

「はい
ロレンツオ様と
リア 様が取り合う程
お美しいそうです。」


「フム、幾つになる?
あの可愛さだ化粧をしたら
そうだろうなぁ」


「ハッ、今17との事です。」



「フオッフオッそれはそれは
あの時はまだ小娘に見えたのだが
やはりワシの勘は大当たりじゃ!
美女を見つけ出す才覚には昔から
長けておる。」

「し、しかしやめて置かれた
方が宜しいかとおもわれます。」


「ワシがあんな小僧らに
負けるとでも?
リア?ロレンツオ笑わせるナ!
どんな手を使っても連れてこい
お前も首になりたくないであろう」


「勿論でございます。」

「なら、従え!」

ハハーッ!

「ムフフ
待った甲斐があったワ
ルーシはもう59か!
そんなB女もう要らんワハハハハ
なるべく早くつれてコイ
又熊と出くわす前にな💢」







「どうした❓」
「ハッ、カール様
橋が壊されております。」


あ、この橋はウィリアム様の
犬ロイを助けた川だ

「お兄様、ウィリアム様の
お屋敷に行くのですか?」

「ああ、そうだ
ミシェルが話をつけているはずだ
フローレンスは乗ったまま
ここで待っていなさい。」

そういうとカールは外に出た❗

カールが歩き出すと
大型トラックがスピードを上げて
大川の橋の入口で止まった
何分もせずフローレンスの乗った車が動き出し、大型トラックに吸い込まれるように車は、入っていった。
そしてトラックは超スピードを上げて走り去った。

手馴れた犯行でアッとゆう間の出来事だった。

「フ、フローレンス
フローレンスフローレンス」
カールは力の限り走りこんだが
フローレンスの姿はアッという間に
大型トラック事見えなくなった。

「し、しまった!」

カールは愕然と座りこんだ!

「カール様」
カールより先に出た運転手も
ガクガクと震えた。

カールは携帯を取り出し
ウィリアム邸に電話をして
助けをよんだ。


カールがウィリアム邸に着いた
時はフローレンスが連れ去られ
既に1時間が経過していた。

出迎えたスカーレットもケニー
もカールの落ち込みように
声もかけられなかった。

「うかつでした
リア殿下とロレンツオ殿下に
何と御報告申し上げて良いか!
せめて無事でいてくれ!」
カールは頭を抑えて震えていた。

「カール」
ケニーは優しくカールの手を
撫でた。

その事にも気づかずカールは
憔悴した様子だった。


早速、事はウィリアムより報せが
三国をかけめぐった。
ウィリアムの手の者
リアの軍隊、ロレンツオの軍隊
ロータスルートA国の軍隊迄
捜索に加担した。





「な、なに?
本当か?何故ロータスルートA国までが?」


「分かりませぬ」


「フローレンスはどうしている?」


「ハッ、さっきお目覚めになられ
呑気に朝食を召し上がられて
おられます。
夜ご飯を食べずに寝たから
凄くお腹が空いたとおっしゃい
まして・・・」

「な、なんと?
飯を食うておるのか?」


「は、はい
オカワリまでされて
次はデザートを所望されて
おります。」


「う?大飯喰らいであったか?」

「はい。💦」

「お会いになりますか?」


「・・そうじゃの
その為に連れて来たのじゃから
目通りいたそう。」

ミガンダは計算違いだったのか
と半ば考えていたが

カチャリ
軽い音を立ててドアが開く。


「ムグッ」ゲホッゲホッ
ガブリとステーキに思い切り
かみついたばかりなのに人が入ってきた音にビックリして
ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

テーブルに座りむせるフローレンス
を見た途端後悔の念は飛んだ
口いっぱいに付いたソース
パッチリ見張らいた目

「お、おはようございます☀」


ソースが付いた口でも黙っていれば美しい、喋り始めたら可愛らしい

「お前がフローレンスか?」

「はい、おじいちゃんは
誰ですか?」


「お、お、おじいちゃん?
ワシのことか?」


「はい?違うの!」

「わ、ワシはお前の夫になる
男だぞ!」



「ブブブッ・・・
アハッアハッアハッアハッアハッアハハハハッ
ウケルー冗談ウマ」

「は?ワシは大真面目じゃ
お前と子をなして」


「ん?誰との子!」

「ええぃ、論より証拠じゃ
まいれ」

フローレンスを見た途端自分の
ものにしてしまいたかったミガンダ
はスケベ心丸出しでウヒョヒョ

ミガンダはフローレンスを引っ張
り寝室の方へ行こうとした。
ウヒヒ柔らかい手じゃあニヤニヤ

「可愛らしいのぅ」