🐞18





✋ヨウ!!
「リア、見合いするそうだな!」

「ー̀ε ー́ 。フン、ロレンツォか!
なんか用か!」

リアの見合いが決行される日
ロレンツォは冷やかし半分にリアの
元へとやって来た。


支度を終えたリアは上下の品の
いい紺のスーツに身を包み
ワインカラーのネクタイに
胸には青色のレースのハンカチ
髪は後ろに撫で上げていた。

「ふーん、遂にリアも
嫁とりか!
頑張って良き奥方を見つけて
くだされ。」

ロレンツオは足を引き胸に手を
当て頭を垂れた。

「フン余計なお世話だ!
お前こそ姉上様が縁談を
持ち込んでるそうじゃないか!」
リアはザマアと言わんばかりに
ロレンツオを見る。

お前こそ独身天国終
終わったなアハハハハ」


ロレンツオも苦々しく笑い返し
「 フフん
安心しろお前の縁談が決まったら
俺も嫁を迎える
お先にド━━━━━━━━ゾ!」
余裕でロレンツオは答える。


「・・・どういうことだ?」


「どういう事も何も
俺達もそんな歳って事だ!!
まあ、頑張れ‼️」
不可解なエールを送るロレンツオ
にリアは何となく
気乗りしない見合いが余計気乗りしなくなった。



「殿下、御趣味は?」

「無い‼️」
ストレートに返す
美しい令嬢だがつまらん🥱

「次」


「国の事をどうお考えですか?」

「ちゃんと考えておる
心配無し!」
知性に富んだ女性だがイマイチ

「次」

ウフッ
「殿下の為に、お花、お料理
語学を勉強いたしました。」

いかにも良妻賢母を肩書きにした
ような家庭的な彼女だが
好みでない
ドスコイお母ちゃん
テキな!顔が丸すぎる。
目マル 鼻穴マル 口もマル
別に丸々してるのがイヤな訳でも
無い、彼女じゃ無いからイヤなんだ。

「次」


「次」

「次」

「カール様
これではいつまで経っても奥方
様は見つかりませぬぞ!
何人もの世話役がカールに詰め寄る。

ロレンツオ様はもう話が
決まりそうだと聞き及びます。
遅れを取ってはなりませぬ…
いい方法はありませんか?」

大臣達も頭を痛めてカールに
相談に来た。


「そ、そうですか、ロレンツオ様も
ご婚約が間近なのですか
知りませんでした?」


カールは本気出してリアの嫁探し
を決意、何時までも独身では困る。

子爵家から公爵家
財閥から会社存続の領家
と呼ばれるD国の令嬢全部に
話を持ちかけ
書類審査をする事にした。
勿論子爵家となればフローレンス
も枠内に入る。


「殿下、我が妹フローレンスも
見合いの中に入りますが
宜しいのでしょうか?」

リアは飲んでいたアップルティを
∵ ブハッ!!
「は?」


「ꉂꉂハハハハ
そうだったな
カールは子爵家の出だった
忘れていたぞ!」


「はい。」

「うーん、カールが我が義兄?
有り得ぬ話だぞ
カールの家は飛ばしても
構わない!」


「そ、そう言われるとなんか
フローレンスが枠外で
可哀想に思われますハハハ
あんな可愛いのに・・」
とフローレンスが聞いたら気落ち
しないかと心配になる。

「まあ、カールの妹ならゴツイ
娘だろう、安心しろ
今や側近となったカールの
妹は、我が妹のようなものだハハハ
会った事も無いし」


「え?‎⊙⊙!!
1度我が家へ足を踏み入れられました時お会いしておりますが?。」


「ん?
あれは弟であったろう。
確かに、あの時は
目つき悪い山猫のようであった。」


「ꉂꉂ確かに・・・
妹は年寄りを悪く言われると
目つき悪くなります。
しかし確かに、妹でございます。

やんちゃな男勝りな性格で
然しゆくゆくは婿を迎え妹婿を
跡継ぎにと思っております
父も母も同意見です。」



「ふーむ、例え妹だとしてもだ
尚更見合いの話は
無しだな‼️
ちょっと生意気だったし
あんま、可愛くもないだろ
女としての華が無い‼️

それに跡継ぎ、婿養子を取る
そんな大事な娘なら尚更ナシ!!
・・・・そーだなぁヨシツ
婿は俺が探してやる!」


「め、滅相もない
殿下にご迷惑をおかけしますし
ジャジャ馬でありますので
ご紹介頂いても断られます。」

リアはカールの話を聞いているのか
居ないのか独身男性をリサーチ

アアッ
「そうだ試しに💡 ロレンツオなんかどうだ、アイツは山娘が
好きそうだったし1度合わせて
見るか!
私が話を持って行こう🎶」


「め、滅相もない!
身分が違います。
もうご勘弁ください。
それに、ロレンツオ様は
ご婚約まじかと
聞き及びます。」

見合い、見合いとせつっくカール
を黙らせる為にリアはしつこく
ならばロレンツオとカールの妹と
お茶でも飲もうと提案した。

ノリノリで提案するリアに
カールは断り続けた。


リアの見合いの話を出せば
ロレンツオとお茶、と切り出して
口をとめさせる
これはストッパーな扱いか!


仕方なくカールは話を飲む事に
した。
「分かりました
ロレンツオ様と妹がお茶をすれば
殿下はお見合いを承知して
頂けるのですね。」


「オウ、勿論だ約束する。」
ニヤつきながら答えるリアに
カールはお手上げ状態
ガクッと項垂れる妹を利用する
後ろめたさを感じてしまう。

そんなカールにリアは追い討ちを
かけるように

「もしロレンツオが気に入れば
我が妹として養女に迎え
スピリニッチールR国へ送り出し
子爵家にはロレンツォから
寄付をさせて我が国からも
援助をしよう。

子爵家には何の問題も無いように
私が取り計らう。


勿論老人達にも何不自由の
ない生活を約束しよう。
そうすればカールも今まで
どおりの生活が出来る。」

それはロレンツオ様がフローレンス
を気に入り嫁に迎えた場合の話で
そんな事はありえないとカールは
殿下の思い付きの遊びだ、と軽く
思っていた。

「。oO○ふぅ
仕方ありません、その話
のみましょう!」



リアはしてやった!
と思い使者をロレンツオへ送った。


多分、ロレンツオにカールの妹
が断られる事を頭に置いて
リアも冷やかし半分だったが
カールに一泡吹かせたかった。
なんせ婚約、間近だと聞いている
まさかの事は無いだろう。

「遊びがてらお茶に来い
カールの妹も来るぞ」
と誘ってみた。
ロレンツオはパァァァと嬉しそうな声をあげた。

「いーく行く行く‼️」

即答するロレンツオに
「お前、本気か?後悔しないか?」
リアが言うとロレンツオは大声をだし
「行く!!」

👂キーン

「フフンお前婚約間近と聞いたが
本当か?」
とロレンツオを、おちょくる

「まだ話はそこまで
行っていない、早く進めたいのが本心だが問題が山ずみ何だよ。」

このロレンツオの言う相手とは
フローレンスの事だった。
なるほど問題は山積みだ。

「ふーん、ならば気分直しに
カールの妹フローレンスと
見合いしてみないか?


カールが言うにはかなり
老人の使用人が多く生活は
苦しいらしい、だからロレンツオ
が気に入れば我が妹として養子
縁組をしてスピリニッチールR国に
送り出そうと思う‼️
どうだ、ロレンツオ会って
みないか?」


渋々引き受けるか頭から断ると
思っていたロレンツオは・・・

「よし、お前の気持ちに感謝する
見合いする!」
と何故か上機嫌。

.。oOアレ?ロレンツオお前は
直ぐにでも今の見合い話を
進めたいのでは?
多少の疑問が頭を持ち上げたが
リアは「ま、いいか!」


「ヨシヨシ上手く行った。」
リアもロレンツオ
もお互い違う意味で喜んだ。



ロレンツオが縁談を進めたい相手は
フローレンスなのだ!


そんな事は全く思いもしないリアは
カールの妹?
あれは弟じゃなくて妹とカールは
言っていた。確かに華奢だったが
カールの話だと逃げ足が早く
男勝り、クスクスロレンツオの
ビックリな顔を早く見たい
ものだハハハ

とヤンチャな気持ちが起きて来た
「クフフたのしみだなぁ」
と一人ニヤケるリアだった。




「どーした?フローレンス」

外の草取りをしていたフローレンス
にアリは声をかけた。
元気なくションボリしている。



「なんでも・・・無い💦」

「どーした、どーした!
なんか変だぞ、俺に話して
ミロ」

アリはかがみこんで草取りしている
フローレンスの前に座った。

「誰にもいわない?」


「おう👍」

ブチッ🌱フチツ🌱ブチッ🌱
草むしりしながらも
フローレンスはダンマリだ。

「ホラー言ってミロ」
アリはフローレンスの心を
揺さぶる。

・・・うん

「アノネ兄様がスピリニッチール
R国の、ロ、ロレンツォ様と
お茶シロって言うの」


「お茶?
お茶すればいいじゃん
彼の事嫌いか?」


「嫌いって言うか
その・・・」


「どうした?」
項垂れるフローレンスにアリは
顔を近付け覗き見た。


「つ、捕まる!」


「はあーぁ!!なんでまた?
何やらかしたァ?」

フローレンスは重い口を開く
「ロレンツォ殿下が
ウイリアムスミス邸で合同お見合い
に出席された時、メイドとして
お手伝いに行ったんだ

その時あんまり、お寂し
そうだったから頭を撫でて
しまって、背中をヨシヨシ
してしまった

のが 一つで」

「まだあるのか?」
フローレンスはブチッ、ブチッ
と雑草をむしりながら頷く

「あとウチの領地の山で
イチゴ摘みしてた時、凄い音がして走って行ったらロレンツオ様が
馬から落ちてて、彼を馬に乗せて
走ってしまって・・・

それで頭にきたのかな?
リア殿下とタックを組んで
私を探していらっしゃるの

謝ったら許して貰えるかしら
ヤバイ話でしょう!
ずっと逃げていたの、ねえアリ
どうしたらいい?」

アリはそれを聞いてビックリ


ブッアハハハハ
「そーんな事心配していたの?」
呆れたものの言い方にフローレンス
は顔を上げた。


「殿下はそんなちっちゃい奴
じゃないぞアハハハ
それに助けてもらって捕まえる
奴なんて聞いた事ない!」
笑い飛ばすアリに


「だって捕まえて鍵をかけて
出さないって言ってたもん。」


「クスッ、好きな子に言う
上等文句だろ、ソレ大好きって事!
安心して、お茶して来い!」


「えっ?そうなの‼️
捕まらない?」

「俺が言うんだから間違い無し❗」

「クスッアリが言うんなら
そんな気して来た
でも違ってたら・・・
もう
会えないね、仲良くしてくれて
ありがとうアリ」


「お前、大袈裟、お茶なんだろ
ちなみに何が食べたいんだ?」



「そうね出来たらバターケーキかな🎂大好きなの!」


「自分でつくらないのか?」

「訳あってお金は使わないで
仕送りにまわしたいんだ
家、恥ずかしいけど貧乏で
お金は沢山欲しいの
だからバリバリ稼がなきゃー」


「・・・」

「やだ、アリどうしたの?」


少し俯いて考え事をするアリ

「ねえ、どうしたの?」

返事もせずアリは考えていた。
バターケーキか、かなり胃に重そう
オレ甘いの苦手なんだよな💦