「広い学園だな…。」
高校1年生、白澤りさ。
目の前にある立派な校舎を前に、驚いて空いた口が塞がらない。
この学園で、私は…。
すぅっと冷たい空気を吸い込んで、声に力を込める。
「「絶対大金掴んでやる!!」」
え…?
今の大声は絶対私のなんだけど、どこか低い声も混ざっていたような…。
もしかして誰か近くにいる…?
もしそうだったら恥ずかしすぎるよ〜!
おそるおそる後ろを振り向くと、
そこにはガッツポーズをしたまま
私を見て固まっている男の子がいた。
うわ…背高いな。
180くらいあるんじゃない?
顔もカッコイイし…。
って今大事なのはそこじゃなくて!!!
そよぐ風に吹かれる、肩まで伸びた髪を抑えながら、ゆっくり口を開く。
「あ、あの…、今のもしかして貴方も言ってたりしました…?」
彼は変わらないポーズと顔で私を見つめている。
え…無視!?なんなの怖いんだけど!!
「やっぱり何でもないです!
ごめんなさい!!」
急に不安になってきて、それだけ言ってそこを立ち去ろうした。
その瞬間…
ギュッ
突然、腕が生温い温度と感触に包まれた。
え…なに?
そっと腕の方に視線をやると、私の腕が掴まれてるではないですか!!
しかも…さっきの男の子に!
「…私…何かしましたでしょうか…。」
私の怪しそうにする顔に気づいたのか、
彼はパッと私の腕を掴む手を離した。
え…この人ほんとになんなの…?
そんなことを考えてると、彼はやっと口を開いた。
「悪い。入学式に大きな声で
同じ事言う女が居たものだからつい…。」
同じこと…?てことはやっぱり…。
「さっきの大声で、シンクロしてた方ですか…?」
「うん、まさかあんな言葉でシンクロするなんてな〜。」
少し笑って言う彼は、まるで少女漫画のヒーローみたいな整った顔で。
改めて聞くその低い声は、どこか心地よかった。
ていうか、あんなセリフが被るなんて気まずすぎる。
でもなんであんな言葉を?
この人もお金目当てなのかな。
考えながら下にあった視線を彼へ戻すと、
さっきより近くに彼の顔があった。
「あんた、名前は?」
え、名前?
怪しい人ではなさそうだからとりあえず…
「白澤…、白澤りさ」
「白澤ってゆーの?俺、黒川。
白と黒が入ってるのも何かの縁だったり?」
この人、初対面で何言ってんの?
運命とでも言いたいのだろうか。
悪いけど私は…。
「運命とか縁とか信じてないから。
入学式始まるから私もう行くね。」
それだけ言い残して、入学式が行われる体育館の方へ足を運ぶ。
体育館へ向かう途中、さっきの男の子の事を考えていた。
不思議な人だったな…。
お金の面でなら気が合いそうなシンクロだったもの。
まあもう会うこともないだろうし、
「改めて、目指せ大金ゲット!!」
鼻歌歌いながら更に歩くスピードをあげた。
この時は思ってもいなかったの…。
まさか彼とあんな風にまた出会うことになるなんて。
高校1年生、白澤りさ。
目の前にある立派な校舎を前に、驚いて空いた口が塞がらない。
この学園で、私は…。
すぅっと冷たい空気を吸い込んで、声に力を込める。
「「絶対大金掴んでやる!!」」
え…?
今の大声は絶対私のなんだけど、どこか低い声も混ざっていたような…。
もしかして誰か近くにいる…?
もしそうだったら恥ずかしすぎるよ〜!
おそるおそる後ろを振り向くと、
そこにはガッツポーズをしたまま
私を見て固まっている男の子がいた。
うわ…背高いな。
180くらいあるんじゃない?
顔もカッコイイし…。
って今大事なのはそこじゃなくて!!!
そよぐ風に吹かれる、肩まで伸びた髪を抑えながら、ゆっくり口を開く。
「あ、あの…、今のもしかして貴方も言ってたりしました…?」
彼は変わらないポーズと顔で私を見つめている。
え…無視!?なんなの怖いんだけど!!
「やっぱり何でもないです!
ごめんなさい!!」
急に不安になってきて、それだけ言ってそこを立ち去ろうした。
その瞬間…
ギュッ
突然、腕が生温い温度と感触に包まれた。
え…なに?
そっと腕の方に視線をやると、私の腕が掴まれてるではないですか!!
しかも…さっきの男の子に!
「…私…何かしましたでしょうか…。」
私の怪しそうにする顔に気づいたのか、
彼はパッと私の腕を掴む手を離した。
え…この人ほんとになんなの…?
そんなことを考えてると、彼はやっと口を開いた。
「悪い。入学式に大きな声で
同じ事言う女が居たものだからつい…。」
同じこと…?てことはやっぱり…。
「さっきの大声で、シンクロしてた方ですか…?」
「うん、まさかあんな言葉でシンクロするなんてな〜。」
少し笑って言う彼は、まるで少女漫画のヒーローみたいな整った顔で。
改めて聞くその低い声は、どこか心地よかった。
ていうか、あんなセリフが被るなんて気まずすぎる。
でもなんであんな言葉を?
この人もお金目当てなのかな。
考えながら下にあった視線を彼へ戻すと、
さっきより近くに彼の顔があった。
「あんた、名前は?」
え、名前?
怪しい人ではなさそうだからとりあえず…
「白澤…、白澤りさ」
「白澤ってゆーの?俺、黒川。
白と黒が入ってるのも何かの縁だったり?」
この人、初対面で何言ってんの?
運命とでも言いたいのだろうか。
悪いけど私は…。
「運命とか縁とか信じてないから。
入学式始まるから私もう行くね。」
それだけ言い残して、入学式が行われる体育館の方へ足を運ぶ。
体育館へ向かう途中、さっきの男の子の事を考えていた。
不思議な人だったな…。
お金の面でなら気が合いそうなシンクロだったもの。
まあもう会うこともないだろうし、
「改めて、目指せ大金ゲット!!」
鼻歌歌いながら更に歩くスピードをあげた。
この時は思ってもいなかったの…。
まさか彼とあんな風にまた出会うことになるなんて。

