義母と妹により、五十歳年上の子爵に嫁がされた令嬢サロメ。
 しかし、夫との結婚生活は長くは続かず、彼女はたったの二年で未亡人に。

 けれど、サロメが実家に戻ることは許されなかった。
 夫の遺言に基づき、子爵家で肩身の狭い思いをしながら暮らし続ける日々。

 このままではいけない――――己の居場所を探すため、婚活を始めるサロメだったが、訪れた夜会で幼馴染のセオドアと再会。彼と秘密の関係を結ぶ。

「愛してるよ、サロメ」

 互いに愛を囁けども、二人の間に未来の約束は存在しない。

 そんな中、セオドアが爵位を継ぐことが決定。
 サロメは彼との別れを覚悟するのだが――――?