「今日は先輩も後輩もいない君達のために私達が新入生歓迎会を企画しました―!」

気まずいまま迎えた翌日。

再び体育館に集められた俺達を前に、楽しそうにしている学園長夫婦。


なんか…嫌な予感…。


俺の気持ちとは裏腹に話は進んでいき、気付けば頭上からハート型の風船が振ってくる。


「ちなみに風船はこうやってお腹に挟んで2人で抱きしめ合って割ってね♡」


その言葉に無理だろと思いながら周りを見れば、
何故か生徒たちは案外乗り気。


…マジ?

いやでも、これもゴールデンカップルになるためには必要なことなんだろう。


隣にいる月島の顔を見れば、一瞬で分かるほど青い顔をしていて、表情は険しい。

…きっとこういったことが嫌いなんだろう…。

いやもしかしたら、相手が俺だからだって可能性もある。

…昨日あんな態度取ったわけだし…。

嫌われててもしょうがねーか。



でも……

これ以上は嫌われたくねーな…。


そう思うのと同時に、体が勝手に動いていた…。