結花に対しては、ママの悪口を言ったり、神牧と曽田と一緒に作った作品を壊されたから嫌い、もう会いたくないと話した。

 陽鞠は神牧と曽田が危害を加えなかったとはいえ、遊び相手になってくれたとずっと繰り返しいうことが気になっていた。
 本当に親戚のお兄ちゃんに遊んで貰ったノリのようだった。
 犯人に同情するなと思う反面、彼らもある意味、結花の被害者なのかもしれないと。
 
 ――あの人と関わったのが運の尽き。

 被告人質問が始まった。

「ゆいちゃん、娘と夫に逃げられて、ずっと寂しかったんだもん。久しぶりに会うために、ちょっとサプライズしようと思ったの」
「特に手を出した訳じゃないし、死んだ訳でもないから、いいよね? だって川口と堀内が勝手に暴走しただけ」
「とにかく娘と夫に会いたいの。寂しい。精神的に辛かった」 
「世界一かわいいゆいちゃんが、誘拐とか殺そうとかするわけないじゃん? あんた達の目腐ってるの?」
「可愛い孫が誘拐されて、こっちは被害者なの! ゆいちゃんは無罪! 早く出して! 呉松家の名前だしたら、すぐにみんな釈放の署名活動してくれるわ」
 結花は検察や弁護士に喧嘩をふっかけるような発言を次々とする。
 質問されても答えになってなかった。