木工パーツを組み立てて、輪ゴム使ってピストルごっこ出来るものだ。
 かっこいいと思うし、子供達は喜ぶだろう。
 俺も欲しい、こういうの。楽しそう。
 ただ学校の工作として出す時に、いろいろ揉めそうな気がする。銃刀法なんたらで騒がれる可能性ある。

「最悪、人に向けてやんないって約束させればいいんだから。お前も手伝え。こういうの得意だろ? 俺も工作好きだからさ」
 神牧の声が弾む。
 弟妹や近所の子達と遊ぶために色々作ったのを思い出す。
「というか、この案件、こんなんでいいのか?」

 誘拐しろなんていうから、てっきり見張って脅したりするもんだと思ってた。
 稲本家にお金もってこいって言ったものの、全然来る気配なし。
 脅して、このガキ達を縛り付けて閉じ込めたりするのかとおもいきや、解放してるし。怪我とか殺すような真似するなって、さーちゃんから指示きてるし。

 完全に親戚の子の遊び相手と生活管理してるだけ。
 
 この脅迫も誘拐もなんか怪しいってそろそろ疑われるだろ。
 さーちゃんが来るまでこの”茶番”は終わらない。
 
 遊んでるだけでお金もらえるって考えれば……楽じゃね?

「そろそろ寝ようぜ。明日7時起きな。じゃないと、叩き起こすから」
「ほんとお前口うるさいオカンみたいだな」