結花が野次馬のノリで庄吾のスマホを除き込んで、脅迫じゃんと呟いた。
「あんたには関係ないでしょ! 警察に連絡しよ」
「さっきお父さんがやった。今関係者で探し回ってる」
「警察って、あんた達騒ぎになりたくないでしょ。言うこと聞かなかったらどうなるのかな。こうやって、真面目な人がおたおたしてるとこほど楽しいもんはないよ。もしかしたら死んでるんじゃなーい?」
「いい加減にしろ! 勝手に殺すな! お前には関係ないんだから、出てけ」
「えーっ、冗談言っただけじゃん。いちいちカリカリしてうるさいわねぇ。ゆいちゃん心配してるのよ」
「野次馬はさっさと出て行け! 俺と陽鞠はお前ともう関わりたくない。二度と俺たちの前に現れるな。今度やったら警察呼ぶからな!」
「きゃぁー恐喝してきたぁ! ひーちゃん止めてよっ」
 悠真のきつい口調に結花はさらに煽るが、庄吾に早く出て行ってくださいと突き放される。
「じゃぁ、お金頂戴! 毎月3万、ゆいちゃんにちょーだい!」
「お前がやってるのは被害者ぶってる加害者だ」
 悠真が問答無用で結花の首根っこを掴み、稲本家から追い出した。

 鍵が閉められ、結花は何度もインターホンを押すが、音がむなしく廊下に響くだけだった。
 よしこれでリークしよう。