世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

『勘違いオバさん過ぎて、見てて痛々しいから視界に入れたくないぐらい無理です。しゃべり声とか、媚び売っててうっとうしいです。どっか追放してくれませんかね? 引き取り先あるか分かりませんが』

 追放してほしいという単語が出たので、さすがに言い過ぎだと窘めたが、見えないところで、しつこく絡まれているということなので、うんざりしているのは変わりない。
 
 チャレンジ枠の人達がこの短期間で限界きているのは事実だ。引き取り先ないか社長に相談した。
 その引き取り先に彼女の荷物が置いてある。捨てたわけではない。
 これなら、彼らのモチベーションや士気に多少影響しなくて済むし、社長の気持ちが多少は晴れるだろう。

「殴ってなんかないわ。ゆいちゃんは言ってるだけでしょ」
「だーかーら、注意されてるときにその”ゆいちゃん"って言い方やめてください。あなた本気で状況分かってる? 怖がってるのは事実。それを真摯に受け止めなさい。あなたは今日からここじゃないので」
 丸岡は浅沼に目配せした。
「そうですね、早く移動してもらいましょう。彼らが可哀想ですし。呉松さん、僕たちについてきてください」
 丸岡は結花の荷物をもって、チャレンジ枠の部屋を後にした。