世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

「病み上がりで歩くの辛いなら、それはそれでいいんです。先に遅刻の連絡すれば、みんなにきちんと伝えて、みんなも納得すると思います。あなたは、無断遅刻したから、他の人に不興(ふきょう)を買ってるんです。わかりましたか?」
 結花は「すいませんでした」と目線を合わせず、言葉を出しただけだった。
「……それで謝ったつもりかい? だいたい調子悪いといいながら、杖で人に向けてキャンキャン騒いでる時点で、嘘ついてるだろ?」
 浅沼が静かに尋ねるが、結花は「ほんとだもん。ゆいちゃん、調子悪いもん」と答えた。
「呉松さん。今の状況で、そう言われても、私は信用出来ない。だいたい、調子悪いなら、こんな声で騒いだり、人に杖むけることなんてしないでしょ? 呉松さんのことだから、みんなに注目してもらいたくって、杖ついて出勤したんでしょ?」
 浅沼に言われ結花は視線をそらした。

 や、やっばっ! バレちゃった!
 ゆいちゃんが主役でいたいから、つい……。
 遅れてきたのも、調子悪いアピールできると思ったしぃ。
 くっそ、この浅沼とかいうやつ、よく見てんな。
 
 結花は「えー、そう? 実は調子悪くって」と腰をさすった。
「どのみち呉松さんは日頃の立場があれだから、なかなか信用して貰うのは難しいよ?」