情報システム部の責任者にいつどこで、こんなサイトを見ていたと見せられ、結花は恥ずかしさで顔が赤くなった。
 
『あのね、今はどこの会社もPCの履歴を厳しくチェックしているし、利用制限をかけているんです。キモって思うのは自由ですが、個人情報流出やセキュリティに神経質な時代です。私的利用は家でやってください』

 今度は上司や口うるさい先輩がいない日を中心に、隙を見て、通販や動画やSNSの投稿をしていた。
 バレないように履歴を消した。
 同僚や先輩に黙ってて貰おうと、お菓子をあげたり、ぶりっ子口調でその場でやり過ごしたりと、見逃してもらおうとしていた。
 
 しかし結花の目論見はあっさり崩れた。
 1回目の面談からさらに1ヶ月後に、再度上司と情報システム部の人に呼ばれた。
 結花としては、証拠を消したのにとバレないと思っていた。

 私が悪いんです。つい魔が差してと繰り返し言った。

 情報システム部の方には、結花のPCの履歴が残っていた。消しても無駄ということだった。
 個人的に使って、ウィルス感染なんてたまったもんじゃないからと、結花のPCには必要最低限の機能だけで、ネットも他のスタッフより厳しいフィルタリング機能をつけた。