世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

「しずねえの言うとおり、お前の話はずれてる。この家は売るし、お父さんは施設に行くつもりだ。お前どのみち借金返さないとだめなんだから、売って田先さんとこへ振り込め。もしかしたら、警察のお世話になる可能性だってあるからな」
 親族達が警察という単語に耳目を集める。
「まだそれいうの? だってゆいちゃん捕まってないじゃん。転売でもお咎めなしなんじゃない?」
 結花はへらへらしながら「家売るとなれば、ゆいちゃんはどうなるの?」と聞く。
 
 一同は結花の遵法意識(じゅんぽういしき)のなさに言葉を失う。

 これが天下の呉松家の末娘の性格であり態度だ。

「お前の住処(すみか)なんか知らん。出てけ。遺産はくれてやる。明日まで猶予やる。それ以降は、不法入居として警察に突き出す。お前は俺としずねえと父親が違うからな――つまり他人だ。今のうちに身の振り方考えろ。いいな? お父さんの施設の場所はお前に教えない。以上」
 良輔が啖呵切る口調で、結花の処遇を言い渡す。
 その瞬間結花は「ひ、ひどいよ? ゆいちゃん、どうすればいいの? 追い出すってひどくない? ねぇ?!」と、親族達に泣き真似してアピールした。

 良輔に対してそれは少し厳しいのではとそれでいいと分かれる。
 望海も「りょうにい、ちょっとそれは可哀想かな」と意見する。