これは、入所時の生活ルールの書類にも書かれています。それを守って頂くことを署名して、承諾したという扱いになります。
 1回目ならともかくですね、周子さんの場合何回も、常習的にやっています。
 ここは確かにルールに厳しい所があります。
 周子さんに合う所がもっとあるのではないでしょうか。
 
 大磐の口からでるのは周子の生活、遠回しの退所のお願いだった。
「えー、お母さん、人気者なんだから、夜ぐらい、部屋に連れ入れるぐらいさ、いいじゃん?」
 大磐の話に対して、結花は周子を擁護する言葉を出した。
 周子も「そーよ? 勝手に来るのよ? 鈴木さんも、石田さんも……私のことが好きだからねぇ。それにちょっと寝れないからおしゃべりに付き合ってるだけよ? 恋愛感情? そんなのないよ。 まー、からかうのは楽しいけどねぇ」
 周子は頬に手を当て、見逃せと言わんばかりに、ふふと笑う。
「それにねぇ、りょうちゃんが持ってきたお菓子をみんなで分けて食べたいだけよ? 1人じゃ無理だもの。それがたまたま、アレルギーになっただけよ? そんなの自分で理解しているんだから、勝手に食べたんでしょう。そこまで見てられないわ。ねぇ、ゆいちゃん?」
 しれっと食べた本人が悪いと話す。

 周子の言い分に良輔は言葉を失う。