『どうもほとぼり冷めた頃に再開してたっぽい。若干名前やIDを変えてやってた。ちょうどそれが、3年前。瀬ノ上さんとこにお世話になってるときから』
 悠真の中で第六感のアラームが鳴る。
 眉間にしわ寄せながら「もしかして……」と言った後に、良輔は「かもしれない」と淡々と答えた。
「その瀬ノ上さんって方からは、何か言われてないんですか?」
『以前あった。妹が来てからうちの物がちょくちょくなくなっていたって。鞄とか靴とか着物とか』
 しかし、瀬ノ上夫妻は結花のことを疑うことが出来なかった。
 というのも、瀬ノ上和子は、元々少し忘れっぽい所があるから。
 家のものがなくなってるのに気づいたのは、田先家が結花のフリマアプリで売っているものの中に、和子がよく集まりで持っていた着物にそっくりなものが売っていたから。
 気づいたのは登美子で、なんか見たことあるわから始まり、和子に連絡したことで発覚した。
 着物は藍泥のもので帯はピンク色でセットとして出品した。12万で。
 元々和子は日常で着物姿が多く、色々な種類や柄が置いてある。
 それは親から譲り受けたものや、親族から記念でもらったものなどなど。