「いーかげんにしろ! この年になって落ち着きがなく、周りを不愉快にさせるしゃべり方、キャンキャンうるさいんだよ。見てて痛々しい」
「ひ、ひどいよぉー、なんでー教えてくれないのぉー」
 結花は大声で泣き真似をするが、その姿はさらに良輔と明博を苛立たせた。
「お母さんの若かりし頃にそっくりだ。見てて虫唾が走る」
 周子も結花同様かなりわがままだった。
 結花は大声でキャンキャンわめくように自己主張するが、周子はのんびりした口調で、相手をチクチク追いやるようなタイプだ。
 しかも遠回しに嫌味いう上に恩に着せるタイプで、昔やったことを引き合いにして、言うこと聞かなければ脅すスタイルだ。これで断りにくい状況や見えないように、周子が上であるかのように見せる。
 特に自分が不利になりそうなときにそのようなやり方をするので、周りはだんだん追い詰められていく。メンタルをやられた人も少なくない。
 外からは穏やかに見えて、仲良くなるが、深入りして、蓋を開ければ、陰湿な嫌がらせや男女トラブルに発展する。
 自分が悪くないと遠回しに言うので厄介だった。
 それも全て呉松家の権限で封じ込めた。