母の周子は「うちの可愛い結花ちゃんを働かせるなんて! 明日とっちめて言ってあげる!」と憤慨していた。一方父の明博は「働いたほうがいいと思う。社会のことを知らなさすぎる」と悠真の味方よりであるメッセージが来た。同じく、姉と兄も「働かないのはまずい」と返ってきた。
 やっぱり味方は母だけ。
 一緒に憤慨してくれるし、なんでも言うことを聞いてくれる。
 周りが働けと言っても、夫諦めてくれたから外野はとやかくうるさい。
 私は子どもの頃の夢がようやく叶ったんだから。
 それを満喫するのはどこが悪い?
 専業主婦に妬み。
 私に嫉妬しているバカな人たちね。
 そんなに羨ましい? ねぇ? 夫のお金散財して、好き勝手しているのが?
 母も私を働かせるのは可哀そうと言ってくれる。
 
 ――私、外で働いたら絶対いじめられるもん!

 私が世界一可愛いから、嫉妬で同性に嫌がらせされるのが目に見えている。そんなリスク背負ってまで働きたくない。
 私は自分が気に入った人以外嫌いなの。
 自分勝手や自己中って言われるのは慣れている。
 嫌いなものを徹底的に排除して、全部自分の好きなものに囲まれて生きていくのが当たり前。
 自分以外の可愛い人間がちやほやされるのは見るのに耐えれない。
 ちょっと懲らしめてやりたい感情が走る。