「あんたがいじめられるのは調子乗ってたからでしょ? ブスの癖に、試験で上位入ったり、コンテストで優勝するなんて身の程知らずでしょ? 鏡みたら? ほら、今のその追い詰められて泣きそうな顔、さらにブスだね。整形したら? ゆいちゃんは世界一可愛いからそんな必要ないけど」
 へへと笑いながら結花は「しゅうちゃん、デートしよっ」と抱きつく。
 周平は羽虫(はむし)を追い払うかのように、結花を突き飛ばした。
「な、なにすんのよ!? 世界一可愛いゆいちゃんを突き飛ばすなんて! ひっどーいっ」  
 涙目をつくって上目使いで訴える。
「さっきからお前、葵依と光河に何言ってるんだ? 今、子供達のいじめは関係ないだろ? どういう状況か分かってんのか?」
 周平は起き上がろうとする結花の胸ぐらを掴んで、壁に寄せた。
「パパ活や家族からお金巻き上げた分際で、よく被害者になれるな? とっとと他の銀行のアプリを見せろ。あと、フリマアプリ見せろ。お前なら、光河と葵依が大切にしてるものを売ってそうだな。そうしなきゃ、追い出す」
 追い出すと言う単語に結花は青ざめる。