葵依には「別の子に投票入れた」「ちょっと上手いんだね」と上から目線で、本人の目の前で言った。
 文化祭に行くのは、一応母親としての役割果たしてますよアピールと、好みの男子高校生がいないか探すためだ。
 葵依と光河が嫌がらせされているのも、周平が話していたことにより知っている。
 結花は「分かってて」言っている。彼女は追い詰められたら、相手がコンプレックスに思ってる所や、弱みをついてやり返している。
 それが夫や子供達だろうが同級生だろうが、目上の人間だろうが関係ない。
 相手が弱っているところに、さらに追い打ちをかけて、悲しんだり、泣いたりしているところを楽しむ。
 それでもやり返されたり、窘められたら、悲劇のヒロインモードに走る。
 今までずっと相手を感情と自慢の可愛さで支配してきた。
 相手が降伏するのはこれ以上言ったり、関わったりすると、めんどくさいからだ。
 母親の周子が出てくるとさらに厄介になる。彼女も似たような手口で、周りを従わせてきたのだから。
 本心で結花の言うことに従っているものではない。