結花の元に悠真と陽鞠が戻ってきた。
 土曜日の昼間にだ。
「ただいま」
 悠真の声が玄関から響く。
 いそいそと結花は2人を出迎えた。
 朝早くから起きてバッチリメイクした。
 付け睫毛やコンシーラーはなしで、薄い茶色のアイシャドウとピンクのリップ。
 今までつけていたネイルも仕事の関係上外すように言われたこともあり、形だけ整えている。
 服は紺色のプリーツが入ったワンピースだ。
「どう? かっわいいでしょ?」
 結花は1回転して2人にアピールする。
「あ、う、ん、可愛いよね? ひーちゃん?」
「……うん」
 2人の反応は薄い。
 陽鞠は普段の結花の格好を思い出して目を丸くして、言葉が出ない。
 それもそうだ。スカートがやたら短いのや露出が激しい服ばかり来ている結花が、全て控えめにしたものになっているんだから。
「もーっ! 私の可愛さにびっくりしちゃってるのねー。カレーが出来てるから、一緒に食べよっ」
 ささっと結花は2人をリビングに連れて行く。
 久しぶりに来たリビングを見て、悠真と陽鞠は綺麗になってると呟く。
 前日に結花は仕事を休んで丸1日使って掃除をした。