世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 いそいそと陽貴を上がり込ませると、寒いリビングでこたつに案内する。兄弟向かい合わせの状態で座る。
「こたつでみかん食ってたのかよ……」
「だってさみーもん。冬の定番だろ? ほら食べな」
 悠真はみかんを陽貴に向けて投げる。
 運良くキャッチした陽貴はせっせとみかんの皮を剥いでいく。
 こたつの中から当たるヒーターが2人の全身に血流を流す。
「川村のおばちゃんからくれたみかん美味しいや。久しぶりに食った」
「あれ、毎年送って貰ってるんじゃないんか?」
 陽貴が怪訝そうにして聞き返す。
「――どうも、他の人にあげたり、捨てられたりしてた。義母が持って帰ってな。結花が嫌がってるから、二度と送って来るなと」
 それに気づいたのはほんの数年前。
 淡々と理由を答える悠真に対して、陽貴は言葉を失う。
 なんで今まで気づかなかったのかと聞きたくなる。
「送って貰ってたけど、いっつも俺が食べようという時になくってな。結花に聞いたら、陽鞠が食べたとか、俺が気づかないうちに食べてたんでしょって逃げてた」
 実際は、みかんが送られたら、結花が実家の母に持って帰ってもらって、お手伝いの3人である野田、大野、柿本や近所の人達に配ってた。残った分は捨てていた。
「どこで気づいたんだ?」