世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 非常識な身内を入れたことで、他のスタッフ達の業務に支障きたしているということからだ。
 今までスタッフの身内を入れたことは何度かある。しかし、ここまでひどいものではなかった。
 結花だけがひどいんだと言いたい所だが、あの問題あるスタッフの身内という枕言葉がついて回る。
 悠真は結花の被害者でもあるが、スタッフ達にとって加害者でもある。それは兄の陽貴も一緒だ。
 スタッフ達や野崎の言うとおり、結花の慰謝料を支払うために稼ぐ必要のために、スタッフ達が犠牲になる必要も義理もない。
 しかし悠真としては、少しでも社会にもまれて欲しいという願いがあった。
 家で何もしないなら、せめて働いて欲しい。
 ――小人閑居(しょうにんかんきょ)にして不全(ふぜん)(しょ)す。
 暇人はろくなことをしないという意味だが、結花の状況をそのまま表している。
 どうしたら自分の立場を理解できるのだろうか。
 野崎や尾澤に言われてもなお、私悪くないと一点張りだ。
 同性から嫌われるタイプは要注意と巷では言われているが、本当にその通りだ。同性である娘からもよく思われてない。
「悠真、来たぞー!」
 玄関から兄の陽貴の声が聞こえる。
 そうだ、今後について考えるのに呼んできたんだと思い出す。