世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 なんで同性にも男性にもそんな言い方されないといけないの? 私、泣いちゃいそう。
 てか、私の知らないところで、店長にチクられてたなんてあり得ないんだけど! 
「店長呼んできて! 夫とはるちゃんに説教してもらうから。あんた含めて」
「多分断られると思うよ。社長も人事部長も暇じゃないんだし」
 結花の勤務態度のことは本人に分からないように報告することは、悠真や陽貴にも根回しされている。
 それでも結花は尾澤の話を無視して、悠真に電話する。
「この役立たず! 保険金残してとっとと死ね!」
 結花はスマホを投げつけようとしたが抑える。
 なんでいっつも私が電話したら出ないの!!
 私の言うことは絶対聞くって言ったじゃん!
「うわぁ、こんなこと言ってるけどいいの?!」
「そうよ。だって結婚してやったんだから」
 結花は腕を組んで鼻息荒くして「私の言うことは《《なーんでも聞く》》って約束したんだから。誓約書にも残してるから」と豪語する。
 尾澤は「社長が働き過ぎてやばいんじゃないか」と前いた現場のスタッフとよく話していた。
 毎月残業時間が50ギリギリいくかいかないかのレベルだ。
 人手不足の現場のヘルプに1日2件ペースで回ったり、事務仕事したりと、いつも疲れ切った顔をしていた。