野崎は結花に同性の友達がいたことに驚いて思わずオウム返しした。
 彼女は異性受けいいが同性からあんまりよく思われないタイプなのは、この1ヶ月でよく分かった。
 最初「女性の友達いないんです。昔から嫌われやすいし、いじめられてました」なんて言っていたが、そうだよなというのが感想だ。

 ――性別で、自分の好き嫌いや気分で態度を変えるからだ。それに仕事に影響出ているのが大問題だ。

 男性から好かれているかと言われれば、これもまた好き嫌い分かれている。
 いつだったかネットの記事で見たが『同性の友達が極端に少ないタイプは要注意』というのがあった。
 まんま彼女に当てはまっている。
「その従姉妹とやらも、よく付き合ってますね」
 野崎の口から嫌みの入った感嘆が漏れ出る。
「まー、それはね……」
 陽貴は従姉妹の加藤望海《かとうのぞみ》と結花の関係を簡潔に話す。
 本家――結花の実家の母の周子が当主だったとき、彼女の命令で望海は結花と友達付き合いを強制した。学校の進路も結花と同じところにさせた。日常的にも結花と一緒。いわば《《お世話係化》》していた。
 理由としては結花の実家の方が力関係で上であること、同性の友達がいない結花が辛いからと。