世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 相川の目は強い怒りがにじみ出すぎていた。
 まるで懲らしめたいと言わんばかりに。
 男性スタッフは「やり過ぎるなよ」「無理するな」「なんかあったら相談して」と肩を叩いた。
「この調子だと彼女の好き勝手で、農産スタッフが減りそうだよなー。ヘルプで駆り出されるのかー?」
 スタッフ達はせそれは勘弁して欲しいと合唱。
 スタッフ達の会話に嫌でも耳に入ってしまう。
 なんでよ! 私悪くないし。
 正々堂々言えば? 私に。
 みんな私の悪口ばっか言って、卑怯者! 私は絶対悪くない。むしろ被害者よ。
 慣れてない力仕事なんてやらせるから、懲らしめただけ。にんじんはたまたま近くにあったから投げつけただけ。どうせ安物だし。たかが商品がダメになったからっていちいち騒ぎすぎなのよ。馬鹿馬鹿しい。
 これだから下民は食材で騒ぐから嫌なのよね。
 SNSを開いて「まじ働くのダルい。ゆいちゃんが大好きな相川くんと馴れ馴れしく話してるあの女タヒね」と投稿した。そこから怒涛の職場に対する愚痴が続く。
 店長がうざいとか、おばちゃんとあの女に注意かれて嫌だとか、相川くんにいじめられたと悲劇のヒロインモード。
 職場のみんなにいじめられてると続けた。
 結花は休憩しているスタッフ達に睨みつける。