世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

『母さんも追い出そうと思ったけどな、お父さんが責任持って最期までいるつもりだということで、俺たちと同居だ。今までのように好き勝手はさせない。なに、存分に可愛がってあげるよ』
『もう一度言う――お前は二度と呉松家の敷居跨ぐな。もしやったら、問答無用で警察呼ぶから。せいぜい、悠真くんに逃げられないように頑張りな。以上!』
 兄妹との会話が終わって、スマホをもつ手が力抜けた。
 私とお父さんが血が繋がってない?! 
 そんなの嘘よ! 確かにお父さん真面目で勉強熱心のつまらないやつだ。その性格はしずねえとりょうにいが受け継いでいる。
 私がお父さんに似てる要素……まったく思いつかない。いつも美人なお母さんに似てるって言われてたから気にしてなかった。
 普久原さんって……実家にいた時時々顔を見せてくるおじさん。調子いい感じの人だ。
 お父さんの親友ですって。同じ会社の役員らしい。
 顔の彫りが深く、背が高いし、目も大きい。まるで外国人のような顔立ち。
 ……えっ、まって、これ私の要素……?!
「お電話終わりましたか? 随分長々と。仲がよろしいんですねー。絶縁宣言されたんですか?」
「なんで知ってんのよ! そうよ! あいつに嫌われたよ!」
「そりゃ、大声で話してたら嫌でも聞こえる。ね、千雪」