世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

『いいか。お前は離婚フラグ立ってるんだ。今までの生活、陽貴先輩から聞いて呆れたわ。専業主婦と称して遊んでるだけじゃないか。陽鞠ちゃんは部活と家事と習い事の両立で、成績上位をキープしてるんだ。春の台中学の吹部の練習ってめっちゃハードで、人間関係がキツいの知ってるだろ?! もしかして分かってて家事やらせてるんか?!』
 結花の視線が泳ぐ。
「あ、いや、そういう訳じゃ……」
 春の台の吹部がハードなのは昔から有名だ。
 それに入ると聞いた時、最初反対してたけど、ちょうど生意気盛りだし、懲らしめるために、家事と勉強と部活の両立を条件とした。
『あー、やっぱり分かっててやってるな。何も答えないってことは。同性に陰険なのも変わってないな――お前、本当は陽鞠ちゃんのこと嫌いだろ?』
「いや、その……私は……陽鞠のこと大事にしてるよ? すきだよ?」
『陽鞠のことを大事にしてる自分が好きの間違いだろ。そうじゃなかったら、今頃家に帰ってるだろ。お前は家族に愛想つかされてるの! はっきり言う。俺もお前のこと大嫌いだ。しずねえも蛇蝎の如く嫌ってるからな。甘やかしてる母親も同罪だ。だからこ 根性叩き直すために、俺夫婦で同居だ』
 強い口調の兄に困惑するばかりの結花。