服に付いたら弁償してだ、高かったのとか、デートが台無しだ叫ぶ。
 台無しにしてるのさお前だと今なら言うかもしれない。

 ――失敗させて弁償するとお金貰えるし、特別扱いされるから。
 
 いい方法を思いたような小学生みたいでなんとなく怖かった。
 まるで相手がいかに嫌がったりイラつかせる方法を知ってますみたいな。
 彼女の勢いの良さに私は止めることが出来なかった。は他人が見れば、おたおたしている自分も同類なんだと思う。
 彼女と食事行くと陰険なやり方で得しようみたいな魂胆があるから、段々嫌になった。
 正直彼女と一緒にいるとヒヤヒヤしたり、気恥ずかしさの方が勝る。別れたいなとちらほら頭に出てきたけど、これで別れる確実な理由が見つかった。
 というか、彼女の夫よ、これでよく結婚してられるな。弱みでも握られてるんか。
 娘さんもあの親から逃げた方がいい。
 龍太郎は悠真に同情をするばかりだった。