世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 前夫がお金に厳しく、月3000円のお小遣いしかもらえなくて困っていること、実家の親に会わせてくれない、姑がほぼ毎日やってきて生活の邪魔をしてたなど。
 体の関係はない。ただいずれ家族に紹介したいと考えていたこと。
 あの日、結花からいきなり呼ばれてゲーセンで遊んでいたこと。
「俺が倒れてる間に呑気にデートかよ……ふざけんなよ」
 悠真の怒気のはらんだ口調に龍太郎は凍りつく。
 怒るのも無理ないよなと納得する。いや、自分が旦那の立場でもそうなる。
「そもそも私は旦那さん倒れたどころか、既婚者であることを知りませんでした。早く返せば良かった……」
「結花は、私が倒れて兄と娘が連絡してたにも関わらず、幼馴染の女性とのランチとあなたのデートを優先したんです。これがどういうことか分かりますか?」
「身内の一大事より自分のことしか考えてない、ということですか」
「そうです。もしあなたが結花と結婚しても同じようなことになると思います。……昔ね、私の母が勤務中に倒れたんですよ」
 悠真は遠い目で十数年前の母が倒れた話を始めた。
 あの時も働きたくない、姑が嫌いだから嫌だと強く主張していた。
 挙句の果てには、死に損ないの老人より、いこれから未来ある私を優先しなさいと言って退けた。