「それって、私は大人しく《《親の因果応報》》を受けなさいと言ってるようなものじゃないですか。じゃぁ、私はどうすればいいんですか?! 私に母のやらかしなんて関係ないですよね?! 先生も結局、母に恨みあるから、私に辛く当たるのを正当化してるだけですよね?!」
 陽鞠は強く机を叩いた。
 赤澤は一瞬怯んだが「やっばりそういうとこ、お母さんに似てるねぇ」と口角を釣り上げた。
「あんなのと一緒にしないでください」
 さらに強く言い切るが「いや、その感情的な所がよく似てる。ムキになるところも」と煽る。
 赤澤の口調はまるで子どもを揶揄うような楽しみ方だった。
 いやだと言ってるのにも関わらず、わざと地雷を踏んでいくスタイル。
 陽鞠の顔は泣き始めそうなぐらい顔が真っ赤で、赤澤を直視できる状況ではなかった。
「じゃあ、わ、わたし、は、何すれば、引き合いにされなくてす、すむんです?」
 精一杯訴えられることは今ここで言うしかない。
 あの問題児の娘である私がここにいる限り、私は親のことで引き合いにされて、因果応報を理由にして、理不尽な嫌がらせも甘んじることなく受けないといけないのか。それを阻止する方法はないの?
 私は私! 依田陽鞠!
 小学校の時のあの授業参観で、母の姿を見て反面教師にしようと思った。