世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

 陽鞠が出た時に比べて声のトーンが高くなった結花だった。
「一応休みの連絡するって言っといた。てか、あの態度すげーな。今日の昼もそうだけど。俺が出た瞬間、やたら声が明るくなってさ。まるで女優みたい」
 ふんと息を漏らす陽貴に、陽鞠は同情したくなった。
「うちの母、父と祖父以外の男性――特に若い男性や叔父さんみたいに顔がいい人に対して、めっちゃ態度変わるんです。去年の私の担任が男性だったんですけど、三者面談の時に、彼女の有無や好きなタイプを聞いてて……今度デートしましょなんて言ってたの。担任の先生は婚約者がいるからと強くお断りしていたんですけどね」
 陽鞠は毎回三者面談で婚約者がいる担任を口説こうとする母にうんざりしていた。
 中学入ってから初めて知った。母が男性教師に目の前で「デートしませんか」なんて言っている姿。
 小学校の時は保護者と担任だけだったので、その姿を見ることはなかった。
 多分同じくやっていただろうなと考えるだけで、当時の担任の先生に申し訳なく思う。
「私が結花さんが苦手なの、そういうとこだね。悠真さんだけでなく、隆太さんと、私と美羽さんで全然態度違うの。多分性別で態度変えるタイプでしょ? お母さん同性の友達っている?」